鈴花 side


次の日


「いってきます」


憂鬱な気持ちのまま、家を出た


少し、心が重たい


心に、何か見えない重りが乗っている感じ


いつも通り、修と登校しようと思ってるけど……


自然に話せるかな


そして、数分後


「おはよう、鈴」


いつも通り、修が待ち合わせ場所に来た


「今日は早かったな。待たせてごめん」


「ううん。今日は、ちょっとだけ早く起きたから」


早く起きたなんて、嘘


本当は昨日のことをずっと考えていて、一睡もしてない


そのせいか、今日は少し体が重たい


「そっか……」


しばらく続いた沈黙を破って、修が言った


「……行くか」


「……うん」


私と修は特に会話するわけでもなく、学校の道のりを歩き始めた


いつもの見慣れた景色を眺めて、校門、下駄箱と教室の前まで来た


「じゃあ、お昼」


「あぁ」


短く言葉を交わして、別々の教室に入った


「鈴花!」


久しぶりに本名で呼ばれて、反応が少し遅れてしまった


「美音!」


美音がひどく心配した顔をしていた