鈴花 side


「38度8分……」


修がベッドの傍に座って呟いた


「夏風邪だな」


修がそう言ってから、私は咳き込んだ


「大丈夫か?鈴」


「うん……」


「夏休みで、よかったな」


ほんとに


運がいいと言うべきか、悪いと言うべきか……


「朝、玄関で会った時、ふらふらだと思えば……」


今日は私の家がダメだから、修の家で遊ぶ予定だった


そして、家に来た私を見るなり、お姫様抱っこされて、部屋に連れ込まれて、現在に至る


「なんでしんどいなら、しんどいって言わなかったんだよ?」


そんなの決まってるよ


修に会いたかったから


でも、熱まであったなんて、想像もしてなかった


さすがに、熱あったら来てないよ


「ごめんなさい……」


何も言えず、小さくそう呟いた


「まぁ、鈴の近くにいれるから、いいんだけど」


サラッと本音を言われて、もっと熱が上がった気がした


あぁ、もう……


嬉しすぎ


「お腹、空いてない?」


そういえば、今日は何も食べてない


でも、修に迷惑がかかっちゃうし……


そんなことを考えていると、修が立ち上がった