その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜




もし橘くんに、私がこのような話が好きな脳内真っピンクな女と思われていたらどうしよう。

恥ずかしくて顔を見ることができない。
とはいえ、まともにスクリーンを見る余裕もなくて。


どうしても橘くんと反対側の席のほうへ視線を向けたそのとき。


「……っ」


一番うしろの列で、私たち以外に座っているのは1組のカップルだけだったけれど。

橘くんの反対側の席を見たとき、私たちから少し離れたところに座っているそのカップルが、なんとキスを交わしていたのだ。


これは、見てはいけないものを見てしまった気がする。
ふたりはキスをした上に、互いの体をペタペタ触っていた。


とっさにうつむいた私に、もはや逃げ道などない。
いっそのことお手洗いを口実に、逃げ出してやろうかと思ったほどだ。