「食べ方がもうかわいい……一生見ていられそうだ」
そのとき、突然橘くんの指が私の頬を軽く突っついた。
おどろいてしまった私は食べる手を止める。
そして自分ばかりが食べていた今の状況にやっと気がついた。
「橘くん、あの……」
「飽きちゃった?
それなら今すぐ別の食べ物を買って……」
「いや、その、橘くんは全然食べていないのに、私だけが食べていて……」
「俺?俺は姫野さんの食べている姿を見てエネルギーをもらっているから、むしろ全部姫野さんに食べてほしいな」
どうやら橘くんは、他人の食べているところを見るとお腹がいっぱいになるタイプのようだ。
それでも私だけが食べるなんて、さすがにできないなと思っていると、タイミングよく映画の本編が始まった。



