「どうして姫野さんは俺を絶望のドン底に追いやるのかな……」
「えっ……」
すると橘くんはひどく悲しそうな目で私を見つめていて。
私はなにか実現をしたのだろうか。
慌てて自分が放った言葉を思い返してみるけれど、心当たりはない。
「姫野さんなら、好きなだけ俺の家に来ていいんだよ?」
「そ、そんなおそれ多くて無理です……!それに私たちは誤解されている立場で……あっ、そうだ!橘くん、今日の目的はみんなの誤解を解くための作戦を練ることだよね……!」
いけない。
緊張のあまり、本来の目的を忘れてしまうところだった。



