「……んっ、おいしい」
どの料理もうまくできており、とてもおいしかった。
これは成功である。
「姫野さんと一緒に作った料理が目の前に……ダメだ、泣きそう」
「大丈夫ですか……?」
「嬉し泣きだから気にしないで。
これは俺と姫野さんの愛の結晶だ……いただきます」
そう言ってハンバーグを口に運ぶ橘くん。
少し緊張したけれど、『おいしいね』と笑いかけてくれて安心した。
橘くんと家でご飯を食べていると、一緒に住んでいるような錯覚に陥ってしまう。
やっぱりこのまま夜まで過ごしたいなと思ったけれど、自分から断ったのだから帰らないと。
ふたりでハンバーグを食べ終えると、橘くんが洗い物までしてくれて。
私がすると言ったけれど、『姫野さんはソファに座って待ってて』と言われ、素直に従った。



