* 橘くんの家はマンションの一室だった。 早速リビングに通され、テレビの近くにあるソファに座るよう促される。 大人しく座っていると、橘くんがお茶を出してくれた。 「あ、ありがとう……ございます」 「そんなにかしこまらないで?敬語はナシにしよう」 ニコッと優しく微笑まれ、何度もうなずいた。 なるべく橘くんの望む通りにしないと。 もし彼に嫌われてしまえば、学生生活が終わったも同然だろう。 それほどに橘くんの存在は、学校で影響力が大きい。