けれど話していくうちに緊張もほぐれ、同じ委員会になったときには自然と敬語がとれていた私。
ただそれは高校1年の話。
一定の期間が開いた今、前のように話せというほうがハードルが高い。
「それは、あの……リセットされたっていうか」
「えっ……俺たちの仲、リセットされたの?」
「本当に、私に構わなくて大丈夫です!」
気を遣わせてしまって申し訳ない。
こんなうわさがなければ、私たちが関わることはなかったのだ。
本当に誰がこんなうわさを……私への悪意が感じる。
「…………」
私の存在を不快に思っている人がいるのかもしれない。
けれど普段から目立たないように動いているつもりだ。
というより、周りから注目を集めるのが苦手なため、目立ちたくないのだ。
「わっ……!?」
深く考え込んでいると、先ほどから黙っていた橘くんの手が肩にまわされて。
そのまま抱き寄せられてしまう。



