「もしそんなことしたら天音じゃなしに、あたしが許さないから!」
「じゃあ姫野さんとふたりだけの秘密にしないとね。
ぜったいに日下部さんには言ったらダメだよ?」
「え、あの……橘くんは、どうして噛みつきたいんですか……?私を恨んでますか?」
おそるおそる聞いてみる。
ずっと悩むより、直接橘くんに理由を聞いて自分の悪いところを少しでも直したい。
そしてなにより、橘くんにきちんと謝罪して……。
「おいしそうだから噛みつきたいんだよ。
もしかして、痛そうだなとか思ってる?」
まさにその通りだったため、何度もうなずいた。



