「大丈夫って……本当に襲われそうで怖い」
「そこまで心配する必要はないよ。
姫野さんを襲うなんてこと、ぜったいにしない」
「説得力のなさでしょ」
「この間は襲うつもりなんてまったくなかったよ。
少し味見しようかなって思っただけ」
橘くんは笑顔を崩すことなく話し、私の頭をポンポンする。
「早く食べたいな、姫野さんの素肌に噛みつきたい」
「……へ!?」
言葉から痛そうな表現をされて、戸惑ってしまう。
噛みつくだなんて、まるで吸血鬼のようだ。
そういえばこの間も同じ表現を使っていた気がする。
メニュー