その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜




「うそつけ。だってあの健気な後輩ちゃん、あたしの前で宣言してたじゃん。『先輩は私の彼氏です』って」

「まったく付き合った覚えはねぇけどな」

「あの後輩ちゃん、おもしろいね。『この夏、先輩に抱かれる予定なんです』って言ってたけど本当なの?」

「そんなわけねぇだろ、とんでもねぇ女に捕まった身にもなれよ。それにその後輩、どこか……」


本原くんは話している途中に橘くんを見た。
その表情はどこか面倒くさそうである。


「叶人に似てんだよ。
ぶっ飛んだ思考回路あたりが特に」

「へぇ、そうなんだ」
「まったく感情のこもってない反応の仕方だな」

「だって今日も姫野さんがかわいくて……身体中を撫で回したい」


橘くんはあまり本原くんの話に興味を示しておらず、なぜか私をじっと見つめてきてニコニコ笑っていた。