「姫野さんが俺のとなりにいるって夢みたいだな」 「わ、私も夢みたいです……」 夢なら覚めてほしいくらいに。 いつ周りから嫉妬の目を向けられるかわからない。 そのため、なるべく早く誤解を解きたかった。 「どうして姫野さんは俺に敬語なの?」 「敬語じゃないと、落ち着かなくて」 「確か1年の最初も敬語だったよね。同じ委員会になってからは、タメで話す仲になったはずだけど……」 「うっ……」 確かにそうだった。 1年の頃、橘くんととなりの席になったとき。 初めは敬語を使っていた。