「今日は天音と宿題するために、家上がったんじゃないの?」 「それは口実だよ。終わっていれば、姫野さんがつまずいたときにいつでも教えられるからね」 まさか、私のため……? わざわざ私に教えるために、橘くんは宿題を終わらせたのだろうか。 「だからいつでも聞いてね姫野さん。 俺がいつでも教えるから」 「ありがとう」 橘くんの優しさに感謝して宿題に取り組む。 途中、何度かつまずきながらも、橘くんのおかげで解き切ることができた。