「今はどの問題を解いてるの?」
どうしよう。
橘くんと触れ合った状態になり、頭が真っ白になる。
もちろん慣れていない私は胸がドキドキして、勉強に集中できそうにない。
「姫野さん?」
「あ、あの……その」
「頬、赤くなってる」
追い討ちをかけるようにして、照れていることを指摘されてしまう。
橘くんって実は意地悪なのかもしれない。
「た、橘くんが近くて……」
「もしかして意識してるの?付き合っているんだから、これくらい当たり前なのに」
付き合っている、けれど。
これもなにかの罠だったりするのだろうか。
ふと冷静になる自分がいた。
「あの、橘くん」
「……どうしたの?」
恥ずかしさと緊張で心臓がバクバクと大きな音を立てる中、ゆっくりと口を開く。
これでもし私を騙す罠だったとしたら、どうなるのだろう。
乱暴されるのだろうか。
橘くんがそんな悪いことをするとは思えないけれど、録音かなにかしておけばよかった。



