最初のうちは橘くんのおかげでスラスラと解けていた。
けれど、またすぐに手が止まってしまう。
「…………」
よし、飛ばそう。
そう思ったのは良いものの、先ほど同様に一度飛ばすと次の問題も解けなくて……。
「……姫野さん」
「こ、この科目、本当に苦手で……家に帰ってからやるね!」
勉強が開始してまだ間もないというのに、早速橘くんを頼ってばかりだと彼の勉強を妨げてしまう。
この科目は諦めて家で解き、わからないところは先生に聞こう。
一度決めると諦めが早く、すぐ別の科目を取り出そうとしたそのとき。
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