けれど苦手科目というのはとことんできず、早速ペンが止まってしまう。
こんな早くから橘くんを頼ることはためらわれ、わからないところは飛ばそうと思った。
ただ最初からつまずいていると、解けない問題ばかりで。
問題の文すら理解できない私は、相当やばい気がする。
「ここ、難しいよね」
「えっ……」
まさに救世主の登場だった。
なにも言っていないというのに、橘くんは問題につまずく私を気づいてくれて。
そんな彼はとてもていねいに教えてくれた。
「本当だ……!
こうやって解くんだね、ありがとう橘くん」
「俺もその笑顔が見られて嬉しいよ、ありがとう」
どうしてか、橘くんにお礼を言われてしまうけれど。
ここは気合を入れて苦手科目と向き合おうと思った。



