独り占めということは、もしかして橘くんに襲われ……。
「じゃあ勉強を始めよう。わからないところとかある?もしあったら俺に教えてね、どの教科でも大丈夫だよ」
少しでも橘くんを悪者にした自分を恨みたくなった。
本当は苦手科目を徹底的に教えてもらいたいところだけれど、橘くんの勉強の邪魔になると思い、首を横に振る。
「じゃあわからないところがあったら俺にすぐ教えてね」
自分の勉強を妨げられるというのに、橘くんは笑顔でそう言ってくれた。
本当に優しい人である。
私も『ありがとう』とお礼を言い、勉強を始めた。



