「の、飲み物ありがとう……!」 「どういたしまして。 姫野さんはぶどうジュースが好きなんだよね?」 「うん!ぶどうジュースが一番好きなの」 「つまり俺はぶどうジュース以下なんだね……」 質問に対して素直に答えたけれど、橘くんがひどく落ち込んでしまう。 その理由がわからずに戸惑っていると、彼は私をじっと見つめてきた。 「早く姫野さんの一番になれるよう頑張るからね。それに今日は独り占めできるんだ、こんなところで落ち込んでいたらダメだ」 「独り占め……」 その言葉にハッとする。