その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜



「ありえない……姫野さんはどんな格好でも似合うに決まっているよ。そう思う人間の目が節穴なんだ」

「じゃあ、あの……おかしくないですか?」


おそるおそる尋ねてみると、なぜか顔を背けられて。
やっぱり変なのかと思いきや……。


「かわいすぎて俺がおかしくなりそう。
あとで少し味見していい?」


か、かわいすぎて……!?

気遣っての言葉だとしても、恥ずかしくてつい照れてしまう。


「今からふたりきりか、我慢できるかな。味見どころか、本当に食べてしまったら……俺は姫野さんに嫌われてしまう」

「私が橘くんを嫌いになることはないです!」


私にも優しく接してくれる彼を、どうしたら嫌いになれるのだろうか。

嫌われるとしたら私のほうである。
だから橘くんは嫌がらせでうわさを流して……なんて、決めつけるのは良くない。