その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜




「良かった……それにしても、カーディガンを着てきたのは偉いね。露出部分が少なくて助かるよ」


それは、もしかして……ブサイクのくせに露出部分が多い服を着るなということだろうか。

やっぱり私がこんなかわいいワンピースを着るなんて、いけないのだ。


「ご、ごめんなさい!
やっぱり今から着替えてきます、家に帰ります!」

「えっ、待って帰らないで!?せっかくの姫野さんのワンピース姿が……ほら、電車がもうすぐ来るからホームに行こう」

「わっ……!?」


頭を下げて一度家に帰ろうとしたけれど、橘くんに腕を掴まれたかと思えば、引っ張られてしまう。

結構力が強くて、逆らうことができなかった。


慌てて定期を出して、改札を通る。
そのあとも橘くんは手を離してくれようとしなかった。