「もしかして俺、とんでもない過ちを犯した……?」
「そ、そんなこと……!あの、むしろごめんなさい!
私なんかと誤解させてしまって……」
「姫野さんは悪くないよ、謝らないで。
俺のほうがごめんね」
今日の朝、私が橘くんを見て誤解だと念を送ったつもりが、『このまま誤解を貫き通す』と勘違いしてしまった様子。
そのため橘くんは顔色を悪くして、私に謝ってきたのだ。
「た、橘くんも悪くなくて……!
あの、その……どうにかして誤解を解かないと」
「そうだ。姫野さんはこの後時間ある?」
「あります……!」
「じゃあ今後について一緒に話そうか」
私は勢いよくうなずいた。
良かった、これで誤解が解けると。



