意を決してカーテンに触れ、ゆっくりと中に入る。
橘くんはぶつかった頭部を冷やしており、上体を起こした形で優しい眼差しを私に向けていた。
やっぱり彼を見ることができない私は、とっさにうつむいてしまう。
今は意識している場合ではないというのに。
「大丈夫、ですか?
ぶつかったところ……」
「今は少し痛むくらいだから大丈夫なんだけどね、軽い脳震盪を起こしたから一応病院に行くことになったんだ」
「えっ……」
「保健室の先生がいろいろと準備してくれているみたいで……ちょうど落ち込んでいたところだから、姫野さんが来てくれて嬉しい」
落ち込むというのは、残りの授業が受けられずに病院へ行くことになったからだろうか。
勝手にそう解釈した私は、元気付けようと口を開く。



