「本当に愛おしかったよ……姫野さんを泣かせたこの映画は罪深いね」
「そ、そんな……すごく良い映画で」
「姫野さんが映画を楽しんでくれて良かった」
「た、橘くんは楽しんでくれましたか……?」
おそるおそる質問してみる。
私だけが満足しては意味がない。
「もちろん楽しかったよ。まだまだ物足りないけど、2時間も姫野さんを堪能できて」
橘くんは笑顔で楽しかったと答えてくれ、安心する自分がいた。
もしここでつまらないと思わせてしまったら申し訳ない。
ただ、物足りなさはあるということで、やはり私では橘くんを満足させることはできないことを思い知った。



