ひとしきり彼は私に謝ったあとで、
少し赤くなった瞳で私を見つめてきた。
真剣そうなその眼差しに、
私は抱きしめている手を離して、彼と向き合った。
彼は、少し緊張したように
「僕はもう君を二度と傷つけない」
「誰のことも幸せにする覚悟でアイドルをする」
「…だから、」
「僕の恋人になってくれませんか」
そう言って、
差し出してきた手は少し震えている。
私はその手をギュッと握って、
「…はい、幸せにしてください」
そう、
人生で初めて、自分から幸せを求めた。
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