苦しい、痛い、辛い。





それは物理的というより精神的に。





…ヒカリさんの狂おしいほどの心が、私の心に突き刺さってくるんだ。




彼の愛は私が受け止めるには重くて、




ということはすなわち、





彼1人で抱えるには重過ぎる。





私の心なんかまるっきり無視して、男の人の力でねじ伏せてくるこの人は酷いと思う。




…だけど、あまりにも彼の心が泣いてるように見えるから。




狂ったように私にキスマークをつけ続ける彼の頭に無意識に手が伸びて、





思わず、彼の頭を撫でていた。






それに気づいた彼は動きを止めて、






驚いたような表情で私を見る。







「…今のヒカリさんは怖い」





「けど、あなたの苦しいところを私にも分けてよ」




「…逃げないから」








そう言う私を見て、






彼は、静かに、静かに






美しく一筋の涙を流した。






その涙は何より綺麗で、




本当のこの人の心が溶け出しているんじゃないかと思うほどだった。





「……もう、酷いことはしない」





「ただ、そばにいて欲しくて」







そう言って静かに涙を流す彼に、





私は微笑みかけて言う。





「私は望んであなたのそばにいる」









…こうして、私が自ら望んだ





私たちの監禁生活が始まった。