「…っていう話なんだけど」
と言う彼に、
私は震える手で、
首元から黒い三日月のネックレスを取り出して見せた。
「…これ、ヒカリさんから貰った…」
とか細く言うと、
大河は「…これか」と小さく呟いた。
まるで、私はヒカリさんの首輪をしているみたいだ。
この首輪は、ただの美しいものじゃなかった。
「ヒカリ先輩は、夜の仕事とかも抜け出して何かを探しに行くことがあって…」
と言われ、思い出すのは歩道橋での出来事。
「…私が夜家を出た日とかかも」
と言うと、大河は納得したように「あー」と言った。
「…でも信じられない…、ヒカリさんが何で…」
と困惑していると、大河が
「…あんた、逃げるあてはある?」
「無いなら、アパートくらい用意するけど…」
そう話していると、
私達以外静寂だったはずの辺りに、
焦るような足音が、響き始めた。
その音に、私達はハッとした。
「…待って、そうだった」
「あんた、GPSで場所バレてるんだ」
大河の呟いた言葉で、
私は、彼が今もうすぐそこにいることに気がついた。



