そうこう考えているうちに学校なんて終わって、
近くの友達に「バイバーイ」と手を振って学校を出る。
最寄りから電車に乗ってヒカリさんの家に戻り、
制服から私服に着替えて…、
この私服も、ヒカリさんが買ってきてくれているものだから私、
盗んでることになるかも…?
…目を瞑っておいてください、すみません本当。
まとめた荷物を手に持って、
リビングのガラステーブルには、置き手紙を置いた。
ヒカリさんへ
たくさんたくさん、本当にお世話になりました。
この感謝は必ず、お礼としていつかお返しすることを約束します。
ヒカリさんと過ごした日々は本当に幸せで大切な宝物です。
これからは画面越しに、あなたの活躍を応援させてください。
心から、ありがとうございました。
美影
「…よし」
その横にこのマンションのカードキーを置いた。
このマンションはオートロックだから、もう出て行ったら戻ることなんてできない。
もう、本当に、最後だ。
ここから先、私の人生はどうなるかなんて分からないけど。
この人に恩返しすることを願って……。
私はこの家を出て、
あてもなく歩き始めた。
時刻は、18時。
どこに向かおうか、
向こうの方にネットカフェがあったと思うんだけど…。



