お風呂場で1人、思う。
私が夜にいなくなっても、これまで誰も心配なんてしなかった。
それ以前に、
誰も、気がつかなかった。
一緒に家に帰ってくれる人なんていなかった。
冷たいシャワーを一身に浴びながら、
胸元までのびる黒髪が水を含んで背中に張り付くのを感じる。
もう、ヒカリさんへの思いはどんどん大きくなるばかりで。
独りになることへの恐怖もどんどん大きくなるばかりで。
だめだ、このままじゃだめだと、
頭の中で、警報がけたたましく鳴り響く。
もう私はこれまでの人生で十分傷ついたし、
そして、ヒカリさんと過ごして十分に幸せになった。
だからこそ、私は……。
『頼むから僕の目の届く場所にいて…』
リビングのソファに深く座り、思い悩みながら手で目を覆う彼の
片方の手にはスマホが握られている。
そのスマホには、
6月29日月曜日 20:38
その時間に美影のいたあの場所の住所の詳細が
しっかりと示されている……。



