アイドルな彼の愛は重すぎる。





私がお風呂から出れば、髪を乾かしてくれて。


ソファに一緒に腰掛けて、



テレビを見る。




…今だけ、今だけだから。




「…あ!ヒカリさんが出てる!」


ちょうど9時に音楽番組に変えると、ヒカリさんが出てきた。




ヒカリさんは煌びやかな王子様ルックの衣装に身を包んで、


髪の毛もバッチリセットしていて、かっこいい。



そんな番組を見ていると、隣から照れたように


「…なんか恥ずかしい、ここに本人いるんだからさ」


と言われる。


なんかそんなヒカリさんが可愛く見えて、


私は乾いたものじゃなく本心から笑って、



「アイドルのヒカリさんもかっこいいですね!」


と言うと、

彼は「え」という顔をして目を見開き、じんわりと顔を赤く染め上げていって


手の甲で即座に顔を隠して向こうを向いて、


「…見ないで」



と小さく呟いた。




…ヒカリさんでも照れることあるんだな。



と思っていると、その番組にはどうやらもう1人ヒカリさんの事務所の人が出ているらしく。




黒髪にパーマをした感じで、



たれ目な少しチャラい顔つきの男の人だった。



よく知らないけど、


きっとたくさんのアイドルがいる中でヒカリさんはとんでもなく人気なんだと思うと、


さらに、ヒカリさんとの遠さを痛感する。




そんなことを思いながら見ていたから、



ヒカリさんから見ると、


私はそのチャラそうなアイドルさんを真剣に見てるように



見えたらしく……。