2人で夜ご飯を食べながら、色々話した。
「…実は僕、アイドルしてる」
実際に、彼の口からそれを聞くのは初めてだった。
私は、緊張したようにそういう彼に
「実は、知ってました」
と、彼の「実は」になぞらえて返して笑いかける。
それに少し驚いたような表情をして、
それでいてなんだか、ひどく私の反応を窺っているような顔をする。
だけど、すぐに彼はいつも通り微笑んで、
「バレてたか」
と冗談めかしく言う。
「だから向こうとかに、壁が全部鏡でダンスができる部屋とか」
「ボイストレーニングできるように、防音の部屋もある」
と、廊下に視線をやりながら教えてくれた。
「へぇ!すごいですね」
とニコニコする、私。
…この人は、やっぱり別世界の住人だ。



