入って、センサーで自動でつく玄関の明かり。


照らし出された玄関は今日の朝見た通り広々で、


家の中は、本当に広々で。





なんだか無性に、泣きたくなった。






昨日から、私に無かったはずの感情がたくさんたくさん出てきて怖い。



いつだってふざけたことを言って、生きることに執着もせず、1人を嘆くこともなく。



それが、私でしょ?




そう思いながら豪華な洗面所で手を洗い、リビングに向かうと、


朝、ご飯を食べた机に何か置かれてあるのに気がついた。



…もしかして、今日の夜ご飯?



すっごく美味しそうな親子丼の隣に、


紙に、綺麗な字で





夜ご飯は僕の自信の親子丼です。


食べてくれると嬉しいな。


苦手だったり美味しく無かったら遠慮せず言ってね。


おやすみなさい。



               ヒカリ




そう、書いてあった。


夜まで続く仕事なんてきっと忙しいだろうに、


私のために朝ご飯だけじゃなく夜ご飯まで作ってくれたんだ。



そのことが、嬉しくて嬉しくて。