アイドルな彼の愛は重すぎる。




そんなヒカリさんの視線に気付いた野球部男子は、


「すみませんって彼氏さん!」


と、完全に誤解をしてペコペコお辞儀しながら謝っている。


そして「それでは!」と爽やかに去っていった彼を未だに何故だか睨んでいるヒカリさんに、


「…ヒカリさん?なんで睨んでるんですか?」


と聞くと、彼は一瞬で笑顔になって


「いや?なんでもないよ」


とだけ言って、「じゃあ、学校頑張ってね」


と微笑んでくれてから、ゆっくりとその車は走っていった。



…うーん?なんだったんだろうね?



と思いつつ、呑気に学校を目指す私。






『…あー、美影ちゃんの視界に映る男なんて僕だけでいいのに』




…誰かが美しい顔を歪めて、


綺麗な金髪をぐしゃりと指で握りしめながら



そう、零していたことも知らずに…。