それから制服に着替えて準備を終え、
家を出るときに、
「僕平日は夜遅くまで仕事することになるから1人にさせちゃうけど」
「朝は絶対いるし、土日は夜も早く帰ってこられるはずだから」
そう、申し訳なさそうに言われた。
…少し寂しいと思ってしまった私に、ゾッとした。
これまで、そんな感情無かったじゃないか。
私はヒカリさんの言葉にヘラリと笑って、
「大丈夫ですよ、お仕事頑張ってください」と返した。
その私の表情に何かを悟ったのか…
「待って、朝は送らせて」
と言ったかと思うと、
何やら彼は大急ぎで服を着替えてマスクをして戻ってきた。
「ここからじゃ少し遠いし、送ってくよ」
そう言って車の鍵を持った彼と一緒に、家を出る。
「…申し訳ないです」
と言うと、
彼は「違うよ、これは僕のわがまま」とニッコリされる。
エレベーターで下り、
エントランスを出て、
駐車場にすぐ着く。
彼の車の所へ行くと、
少しふざけたくなったのか、
彼は助手席のドアをかっこよく開け、
「どうぞ、お嬢様」と微笑んでいる。
それにノリノリで、
「あらセバスチャン、気が利くわね」と返しながら乗り込むと
彼は「面白いね」と、少し吹き出して笑っていた。
そんなこんなで、2人乗り込み。
車は動き出した…。



