あれから、私は自分の部屋のお姫様みたいな形のベッドで眠った。
とってもふわふわで、なんだか本物のお姫様になったような…。
気がしないでもない!こともない!
そして、次の日。
朝起きて、リビングに行くともう彼が朝ご飯を作ってくれていた。
「おはよ、美影ちゃん」
「一緒に食べよっか?」
そう言って微笑む彼は、朝から美しい。
まだコンタクトを入れていないみたいで、眼鏡をかけているのも似合っているし、
無造作な髪の毛でも、ゆったりとしたスウェットでも、
なんだか照れそうなくらいかっこいい。
「私仮にも女子なのにお手伝い出来ずすみません…」
と申し訳なく思いながら言うと、彼は優しい表情のままに、
「良いんだよ、僕に全部頼ってくれていいから」
そう言ってくれた。
リビングのテーブルで、向かい合わせに食器を並べて「いただきます」と一緒に言う。
トーストに、スクランブルエッグに、スープに…、まるでホテルのビュッフェみたいに美味しい。
「ヒカリさん!美味しいです!」
と言うと、彼は幸せそうに微笑んで
「ありがと、嬉しい」
と、甘く甘く言ってくれた。