「美影(みかげ)ちゃんでしょ?」
「東野(あずまの)高校2年の17歳…、
誕生日6月7日、血液型はB型…だよね?」
ニッコリ、作りものかのように美しく美しく微笑む彼は、
私の個人情報を何とガッツリ知っていた。
そんな彼の魅惑の甘い低音ボイスで告げられた私の個人情報を聞いて…、
「…えー!すごいですね、何で知ってるんですかー!」
と感動して拍手をしだす私は頭のネジが結構足りてないと思う。ほぼ無いと思う。
私のその称賛の声に尚も微笑む彼は、
「僕の名前は…ヒカリ、今年で20歳になる。」
そう、教えてくれた。
「ヒカリさんって言うんですね!」
そう返事をした私に、彼が少し、
切なそうに顔を歪めたのが、見えた。
彼は何かを隠しているようで、
…といっても、私も何かを隠しているんだけど。



