浅葱色の約束。─番外編─





1人きりの食事、1人きりの誕生日。

土方さんはここに居るはずなのに、居なかったときより遠くに感じてしまうのはどうしてなんだろう。



「お酒…、用意したんだよ」



この時代では元服は15歳だけど、私の生まれた未来では20歳なの。

だから今日から私も呑めるんだよ。

大人になったんだよ。



「…っ、」



町で彼に声をかけた女の人は綺麗だった。

手紙を出した子達だってきっとそう。


土方さんを取り巻く女性はいつも美人で大人の女性ばかりで、同じように赤い紅をつけて。

私が知らない今までも、きっとたくさんの女性と関わっていたことは確かで。



「やっぱり…無理…、してるんだ……っ」



土方さんに甘え過ぎていた。

道場の人達が言っていたように、もっと積極的で綺麗で、そんな人のが彼もいいのだと思う。



「……さみ…しい…」



彼等に出会ったときは分からなかった感情が、今なら分かる。

これは、寂しいの。


ねぇ土方さん。


土方さんは───…後悔してる…?