本当はあのとき、土方さんに「受け取るな」と言って欲しかった。
それでもああ言った彼はもしかしたら、私にこういうものを付けて欲しいんじゃないかって、ずっとそう思っていたのかなって。
だから私も受け取った。
「本当は土方さんから貰いたかったなぁ…」
あ、これ…前にも似たようなことがあった。
それは蝦夷に行って間もない頃。
土方さんの隣に立つ綺麗な女性を前にして、彼女が煎れたお茶を飲んで欲しくなくて。
でも、彼は意地悪に飲んでしまって。
『土方さんのばか』
と、私らしくもない大声を発した。
そのときの彼が今、違う形をして私の隣にいる。
「ふふっ…」
愛情って色んな形があるんだね。
でも、根本的なものはきっとどれも同じ。
───ガラガラガラ。
玄関の戸が引いた音、帰ってきた音。
パタパタと出迎えて、そして彼の前に立った私を。



