沖田さんのようにお気楽に話しかけてくれる方が私も助かった。
それなら頷きだけだとしても、相手は楽しそうに会話を広げてくれるから。
それでも斎藤さんはそうではない。
『…わかった』
ただ、察しの良い人ではあるらしい。
本を置いて立ち上がると、すぐに部屋を出た。
そしてスッと私を横目で見つめ『来い』と目線を送ってくれる。
『雀の餌は穀物だ。あわとキビで作れる』
2種類の穀物を器に入れ、そこに沸かした水を少量混ぜる。
練り込ませるように潰して食べやすくすれば完成だ。
『うろちょろされると気が滅入る』
『ご、ごめんなさい…』
『…別に邪魔だとかではない。火傷をしたら危ないということだ』
斎藤さんとこんなにも話したのは、これが最初でもあり最後なのかもしれない。
『あれ?珍しい2人がいる。なにしてんのそんなところでちまちまと』
『…別にわざわざ教えるには及ばん』
『ほんと冷たい人だなぁ斎藤君は。ただいま梓』
『お、おかえり…』
そこに巡察から帰った沖田さんも加わって、その後は3人でチュン助にご飯を与えたっけ───…。



