チュンチュンッ、チュンッ。
『どうしたの?お腹空いたの…?ちょっと待っててね、いま女中さんに頼んでくるね』
竹で作られた簡易的な鳥籠の中にチュン助をそっと置いて、私は部屋を出た。
13歳、春のこと。
いつもチュン助のご飯を作ってくれる女中を探すが、その日はどうしてか見当たらなくて。
人手の足りないこの場所は、下っぱの隊士達が全員の食事を用意する日も少なくはなかった。
『……いない…』
どんなに探してもお目当ての女中は見当たらず。
近藤さんと土方さんも今日は朝から出ていたし、沖田さんは今は巡察。
非番の隊士に声をかけてみようか迷ったが、雀の餌を作れるとは限らない。
『…どうしよう…』
このままだとチュン助はお腹を空かせて傷の回復も遅くなってしまう。
このまま飛べなかったら何より悔しい結果になっちゃう…。
もし何かあったら山南さんか斎藤君を頼るんだよ───と、こんなときに巡察に向かう前に言われた沖田さんの言葉を思い出した。
『さ、山南さん…』
襖の前で声をかけてみた。



