『あのときお前が止めててくれたら…俺は死なんかった…!!咲にも会えたのに…っ』



朔太郎、ごめんね、朔太郎。

私もずっとずっとそう思ってた。
私が一番、思ってた。



『お前が代わりになるべきやったんや…!』



うん、分かってる。
そうだよそれが正しい歴史だったの。

ごめんね、ごめんなさい朔太郎。


私───…駄目なお兄ちゃんだね。



『そんなことないよ、梓』



次に現れた青年は、甘い匂いをまとわせながら柔らかい声で沈んでゆく私を掴んだ。


ひょいっと抱っこするように抱き上げてくれる沖田さん。

また私は13歳の姿で子供に逆戻り。



『大丈夫、僕は梓の味方。だから泣かないで』



沖田さん、沖田さん。

いつもいつも助けてくれた人。


一番のお兄ちゃんだった沖田さんが居なければ、私は新撰組で生きれなかった。



『お団子食べに行こうか。食べ放題、またやってるんだって』



お祭りも行きたい。

沖田さんと果たせなかった約束はたくさんあるから。