『ここまで俺について来てくれたこと、感謝してる』


『お前を幸せに出来るのなんか俺くらいしか居ねえだろ』


『俺が必ず幸せにする。だからお前は俺の隣でこの先もずっと笑っていてくれ』



あのね、お母さん。

私が選んだ人はすっごく格好良いんだよ。
この人が私の愛する人なんだよ。


時間を狂わせてまでも、抗ってまでも追いかけた人。



『梓ちゃん。ママはね、お母さんはね、
あなたを心から───…愛しているわ』



ねぇお母さん。


家族って、あったかいんだね───…。



「なら今晩から覚悟しとけよ」


「……え。」


「今からでもいいが」


「っ、駄目だよ…!お鍋作らなきゃっ!」



この場所で出来た、私の家族。

出会ったときはこんな未来が待っているなんて考えもしていなかった。


水平線の先には、こんなにも幸せな日常があったんだって。



「歳三さん、」


「なんだ?」


「歳三さんは……幸せ…?」



この質問は無意味だったかもしれない。

眉を寄せて困ったように笑うその顔を見てしまえば、答えなんか決まってる。




「───…幸せじゃねえわけあるか」




戦が終わった先に、あったもの。

時間を狂わせた先の幸せ。


それはきっとどこにでもある、ありふれた毎日。


でもそれが何よりの幸せなんだと、噛み締める程に思った。