浅葱色の約束。─番外編─





「お前との子供に会ってみてえな───って」



どんな顔をしてるだろう。

どんなふうに泣いて、どんなふうに笑うんだろう。


その子は母親を見て何を思うだろう。



「お前はもう、愛情を分からねえような奴じゃない」



それは本当に「正しい」かは分からないけれど。

それでも、冷たい手を暖めてあげることは出来る。


泣いていたら「どうしたの?」って聞いて、抱き締めてあげることができる。



「私みたいに…無愛想になっちゃったら…?」


「安心しろ。俺もそうだった」



それなら確実に無愛想になってしまう。

笑い方が分からないような子になって、偏見の眼差しで見られることが当たり前になっちゃったら。



「い、虐められちゃったら……?」


「それはない」



そう断言してしまう彼の言葉は、本当は私も心のどこかで思っていることだった。



「歳三さんに似なくて私に似ちゃったら……2人に申し訳ないよ…っ」


「それもねえな」



だって───、



「俺達の子だぞ。…強くて可愛いに決まってんじゃねえか」



ふふ、変なの。

まだ生まれてもないのに、お腹にすら居ないのに。


そういうのって確か……



「親馬鹿って、言うんだよ…」