浅葱色の約束。─番外編─





沈黙が部屋を包んだ。

初秋の黄色い木葉をどこからか連れてきてしまったらしい。

1枚、床の上にヒラリと落ちている。



「ったく、てめえは本っ当に相変わらずだな」



彼はしばらくして立ち上がると、ずんずんと私に近付いてくる。

思わず背中をピンと張り、引けを取ろうとしてもそんなものは無駄だってこと。

私が一番に知っている。


ガッ───!



「っ…!」



胸ぐらを掴まれ、無理矢理にも目線を合わせられて。

これはもう逸らせもしないし言葉も出ない。



「ひ、土方さん…」


「聞け」


「は、はい…っ」



昔の私はしょっちゅうこれを体験していたなんて。

よく耐えれたな、と。



「てめえの命は俺のモンってのは分かってるらしいな」


「わ、わかってます…」


「だったらてめえが死ねば俺も死ぬんだよ」



するとまた少し引き寄せられる。

思わず「ひっ」と、情けない声が出てしまった。



「俺の幸せはお前の幸せだっつったな」


「…はい」


「だったら、お前が幸せじゃねえと俺の幸せだってどこにも無いんだよ」