「久しぶりに実家に帰ってきた時
何を言うのかと思ったら
実家は継げないって…
兄弟で継いでくれると
思っていたんですけどね…」
「父さん…!」
「スミマセン…
ここまで立派に育ててきた息子さんなのに
うちの娘なんかにホントにもったいないです」
優香のお母さんが言った
「いいえ、育てたのは私たちじゃありません
慧は変わりました
…
私たちから離れて成長しました
…
子供として不自由のないよう
育ててきたつもりでした
…
でも成人したら
もぉ子供じゃありません
…
人として不自由だった部分
埋めてくれたのは
優香さん?あなたかしら?
…
優香さん、ありがとう
優香さんのご家族にも感謝してます
ありがとうございます」
母さんが言った
え…
「どうか、こんな息子でよかったら
生涯を共にしていただきたい
優香さんのもとで
もっと成長してもらいたい
…
慧、ご両親にちゃんとご挨拶に行きなさい
断られたら戻ってきなさい
うちの病院で雇ってやるから」
父さんが笑った
優香が微笑んだ
なんかオレもホッとした
「父さん、母さん…ありがとう
…
お義父さん、お義母さん
改めて後日、挨拶に伺いますので
よろしくお願いします」
「あぁ、いつでも待ってるよ」
「ありがとうございます」
「料理も美味しかったけど
最初のお茶から最後のコーヒーまで
全部に愛情を感じたわ
私には、できなかった…」
母が言った
「私が結婚しても
このお店をやりたいって
慧さんに言った時
慧さん反対しなかったんです
それは働いてる
お義母さんを見てきたからだと思います」
優香が言った
母は嬉しそうだった
「こんなにゆっくり楽しく食事したこと
結婚してからなかったかな…
…
ずっと私と頑張ってくれてありがとう」
父が母に言った
「優香さん、気付かせてくれてありがとう」
父が優香に言った
「いえ…」
優香が首を横に振った
今までで一番おいしい食事だった
ありがとう
すべての人に感謝
オレ、幸せです
あ、
優香の両親に挨拶行かなきゃ…
優香さんを幸せにします



