にびいろのなかのひかり 鈍色の中の光


「ごめん…
なんか、力が抜けて
立ってられなかった…」

玄関にしゃがみこんだ優香が言った



オレも屈んで優香の顔をのぞき込んだら

優香は笑顔だった



「よかった…」



そのまま

また優香を抱きしめた




「帰んないで…優香…
大丈夫だから…

一緒にいよう…」



「うん…」



ーーー



1ヶ月前に

無理矢理したキスを思い出した



「ごめん…優香、許して…
あんなふうに、キスしたくなかった…」



ーーー



「うん…」



「実家、行ってきた

兄が彼女連れてくるって言うから
一緒に食事した

行かないつもりだったけど
言いたいことがあって行ってきた

兄の彼女
同じ病院の医者なんだって

ふたりで実家の病院継いでって
頼んできた

だから
もぉ優香は考えなくていいよ
ずっと好きなことしてていいよ

ずっと
オレのご飯、作っててほしい…

カウンターの向こうで
笑っててほしい…」



「うん…」



「好きだよ…」



「うん…私も…」



ーーー


ーーー



ーーー