「あの、その事なんだが。今日おれがここでピアノを弾いていたこと、誰にも言わないでくれないか?」

「分かりました。だけど、どうしてですか?あんなに上手く弾けるのに。みんなに自慢出来ますよ!コンクールでも賞が取れると思ったぐらいです!」

「褒めてくれてありがとな。でもお願いだ。言わないでくれ。」

「分かりました。」

そんな真剣な顔で頼まれたら断れない。

まあ、元々誰かに言うつもりもなかったけど。