「話、あんだけどさ。」
「話？」
「おお。」
「なに？」
「俺、結婚することになった。」
「……………ええええ？」
カドスケは、俺の顔を二度見する。
それから、ニヤニヤしてもう好奇心の塊という感じで、身を乗り出す。
「相手は誰？まさか、よしのじゃねえだろうな！」
と、ゲラゲラ笑う。
「そういうと思った。」
「あ、違うんだ。 じゃ、誰よ。」
「………………。」
「俺の知ってる人？」
「まあ、そうだな。」
「マジか！？ えー、と、ちょっと待て！言うなよ。俺が当てる。」
俺は苦笑する。 完全に面白がってんな。
「言っておくけどさ、発表はまだだからな。ペラペラ喋んじゃねーぞ。」
「おー分かった分かった。 うーん、そうだな。よしのじゃなかったら、ほこみか？」
「アホか。」
「じゃあ、えっと」
と、女芸人ばっかり名をあげる。
「なんで芸人ばっかりなんだよ。」
「そうだったらおもしろいから。おまえがマジで結婚するなんて思えん。ビジネスで結婚するんやろ？」
俺は、相方に最初に報告したのを激しく後悔する。