チェックアウトして、俺たちは車で山奥に行って、滝のあるあたりまで行ってみる。
あまり知られていない場所だから、本当の地元の人ばかりが参拝に訪れているような場所だ。

俺は自然にカホの手をとり、指を絡める。
カホは、キュッと握り返して
「ね、高岡さんって分かっちゃったらどうするの?」
「俺は、構わないよ。」
前だったら、絶対に注意していたことで、外ではこんな風に女の子と手をつなぐなんてしたことない。
カホの立場を考えたら、本当は気を付けてやらなきゃいけないことなのかもしれないが、もうなんだっていい。堂々と宣言をしたいくらいだ。
カホもそのまま手を離さず、俺についてくる。

「わあ、すごい! すごい迫力だね。」
滝をキラキラした目で見上げるカホ。
あまりの昨晩の急展開に舞い上がっていたが、俺の悪い癖で、もしこれが失われた時のことを想像してしまう。
あまりに幸せすぎると、怖い。
俺は、滝を一緒に見ながら、いろんな覚悟を決める。