「美味しいね。」
カホは、盛り付けが綺麗だと言って喜び、料理を口に入れては、幸せそうにそう言う。
「ん。」
俺はすっかり言葉少なに、今、この時を噛みしめる。
こうやって言葉少なになっても、やっぱりカホはあまり気にしないでいてくれて同じように静かにゆっくり食事を楽しむ。

ふと目が合うと、カホは微笑んで幸せそうな顔をする。
今、この時間が止まってくれたらどんなにいいか。
ずっと永遠に。


この旅の終わりに、俺はきちんとケジメをつけようと思う。
気持ちを伝えるんだ。
お前が好きだと。
初めて会った時からずっと好きだったと。