初めてカホと喧嘩のようなものをした。

喧嘩か?
いやもうこれは幻滅されたか、ただ単に嫌われたか。
まあ、最悪な誕生日だ。
どうせこうなる運命だったんだ。
カホの前で良い人を演じてたって、所詮それは偽善だったんだからさ。
ちょうど良かったじゃないか、もうあきらめるんだ。
最初っから脈なんてなかったんだし、ダラダラと良い人を演じ続けたまま、友人なのか兄貴なのか保護者なんだかよくわかんない関係を続けて自分が一人苦しむより、キッパリとなかった事になればそのうち時間が忘れさせてくれる。

出て行ったカホを追いかけるとか、電話をかけるとか、メッセージを送るとかそんな気力ももう俺には無い。
今さらそんな熱くもなれない。

仕事が落ち着いたら、心機一転ここを引っ越そうか。
そして、連絡先もブロックしてしまえばもうこんな風に会う事もない。
仕事で会えば、やあ元気でやってる?くらいの余裕な挨拶はできるだろう。
酔っ払って携帯ぶっ壊しちゃってさ、とか何とか言って連絡つかない事を言い訳して。

ただ傷つくのが怖いだけ。
そうだよ、もう振られることがわかってて、わざわざ傷つきに行くなんてバカバカしい。